木酢液ができるまで

木酢液ができるまで

一般に、木材を炭化(乾留)して得られる木ガス(煙)には、木材の熱分解生成物及び水蒸気が含まれています。
この煙を冷却して得られる液体(原料木酢液という;日本薬局方では、「木タール」という)は、静置することに
よって上層の粗木酢液及び下層の沈降タール分の2層に大きく分離します。一般に流通している木酢液は、上層の
粗木酢液を回収して製品化し、あるいは必要に応じて蒸留等を行った後に製品化されています。木酢誉/木酢維新S
の製造法の特徴はまず原料木酢液を減圧蒸留してタール分を最大限分離する事にあります。分離されたタール分は
さらに蒸留精製され木タール精製油となり、正露丸の主原料となります。
また、減圧蒸留後に得られた粗蒸留液はさらに常圧蒸留工程を2回経て精製され、有害物質が効率よく除去され、
同時に成分のばらつきが低減します(文献1)。
木酢液は原材料や製造方法の違いにより、成分のばらつきが生じるため、薬効・安全性について検討が必要と審議
されております(文献2)。
木酢誉/木酢維新Sの場合には、3回にわたる蒸留工程を経て製造(特許精製法)される各バッチの成分組成は比較
的安定していますが、さらに製造バッチごとに成分定量を行い、得られた分析データに基づいて、各バッチを混合
調整して規格に合致する最終製品が製造されます。

文献1.東野孝明,柴田晃,矢田貝光克,蒸留木酢液における構成成分の規則性と再現性の研究,木材学会誌
    Vol.51、No.3、P.180-188(2005)
文献2.「農業資材審議会農薬分科会特定農薬小委員会及び中央環境審議会土壌農薬部会農薬小委員会第6回合同会合」
    議事録